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不登校の中学生、オンライン授業は「出席扱い」になる?条件をわかりやすく解説

「学校には行けないけれど、このまま何もできないのだろうか」——そんな不安を抱える保護者の方や中学生の皆さんへ。オンライン授業が「出席」として認められる制度が整ってきており、自宅にいながら学び続けられる環境は、以前よりずっと広がっています。この記事では、制度のしくみから具体的な活用方法まで、順を追ってわかりやすくお伝えします。

1. 不登校の中学生は今、どのくらいいるのか

文部科学省の調査によると、不登校の中学生は全国で216,266人(令和6年度時点)に達しており、中学生全体の約6.79%が不登校状態にあるとされています。これは決して「一部の特別な子」の話ではありません。 ――児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査

 東京都内に目を向けると、足立区だけでも令和6年度に中学生978人が不登校状態にあったというデータがあります(足立区教育委員会による)。数字の大きさが、この課題の広がりを物語っています。

「不登校=勉強ができない・進路がない」ではありません。制度と環境が整ってきた今、どのように学び続けるかを考えることが最初の一歩です。

2. オンライン授業は「出席扱い」になるのか——制度の基本を整理する

不登校の子どもが自宅でオンライン授業を受けた場合、一定の条件を満たせば出席として扱われることが、文部科学省の通知によって認められています。

文部科学省が示している主な要件は、おおむね以下のとおりです(正確な要件は通知原文および在籍校にご確認ください)。

  1. 保護者と学校が連携していること — 自宅学習の状況を担任や学校が把握・管理していること
  2. 学習の成果が確認できること — レポート提出や学習ログなど、学んだ記録が残ること
  3. ICTやメディアを活用した学習であること— オンライン会議ツールやデジタル教材など
  4. 心身の状況に照らして適切であること — 学習参加が子どもにとって無理のない範囲であること

重要なのは、これらの条件を満たしていても最終的な判断は在籍校の校長が行う点です。「どのツールを使えばいい?」「何を提出すれば認めてもらえる?」といった具体的な運用は学校ごとに異なるため、まず担任や教育相談担当の先生に相談することが第一歩になります。

出席扱いになっても、内申点(調査書の評価)への反映は学校の方針によって異なります。高校受験を視野に入れている場合は、在籍校に加えて進路担当の先生にも早めに確認しておくと安心です。

文部科学省「令和5年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」によると、GIGAスクール構想により、児童・生徒の学習者用端末は1人あたり1.1台とほぼ全員に行き渡っています。また、普通教室の無線LAN整備率は95.7%(モバイル通信を含めると97.8%)に達しており、自宅からオンラインで授業に参加できる環境は年々整ってきています。

3. 実際にどうやって始めるか——在籍校へのアプローチ

「オンライン授業を出席にしてほしい」と思っても、どう動けばいいかわからないという保護者の方は多いです。以下のステップが参考になります。

まず、現在の状況(登校が難しいこと・家で学ぼうとしていること)を学校側に伝えます。スクールカウンセラーや教育相談コーディネーターがいる学校では、最初の窓口として相談しやすい場合があります。

多くの自治体には、不登校の子どもと保護者を支援する「教育支援センター(適応指導教室)」があります。オンライン授業の出席扱いについての相談や、自治体独自の支援制度を案内してもらえることもあります。

学校と合意したうえで、使用するオンラインツール(ビデオ会議・学習アプリなど)と、学習成果の記録方法(レポート・ポートフォリオなど)を決めます。保護者と学校が学習の進捗を把握・管理できる体制が、出席扱いの条件として重要です。

4. 在籍校以外の選択肢——「学びの多様化学校」という道

在籍校とのオンライン連携だけでは子どものペースに合わない場合や、環境を変えることで気持ちが楽になるケースもあります。そのような場合に検討したい選択肢のひとつが、「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)」 への転校です。

学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)は、文部科学省から教育の特例を受けている正規の中学校です。フリースクールとは異なり、通常の中学校と同様に正式な卒業資格が得られます。カリキュラムや授業時間数が不登校の子どもの実態に合わせて調整されており、一人ひとりのペースで学べる環境が整っています。

用語メモ:2023年の法改正により、「不登校特例校」は正式名称が「学びの多様化学校」に変わりました。学校法や文部科学省の文書では新名称が使われますが、一般的にはまだ「不登校特例校」という呼び方も広く通じています。

5. 高校進学への道——出席が途切れていても進める選択肢

「中学校で不登校だと、高校には進学できないのか」という不安は、多くの保護者からよく聞かれます。結論から言えば、高校進学の選択肢はあります。ただし、進学先の種類や入試形式によって、内申書・出席日数の影響度は異なります。

全日制の公立高校は一般的に内申点と試験の両方を重視しますが、私立の全日制高校の中には、不登校経験のある生徒の面接・作文・個人の事情を考慮した選考を行うところもあります。学校説明会や個別相談で直接確認することが大切です。

通信制高校や定時制高校は、出席日数や内申書の比重が全日制より低いケースが多く、不登校経験のある中学生にとって現実的な進学先として選ばれています。登校スタイルも週1〜3日から全日まで幅広く、子どもの状態に合わせやすいという特徴があります。

6. 保護者としてできること——焦らず、一緒に考えるために

制度や選択肢を知ることは大切ですが、保護者として最も難しいのは「子どものペースに合わせながら、どう動くか」というバランスかもしれません。以下のポイントを参考にしてみてください。

登校できていない現状を隠したり、急いで解決しようとしたりする必要はありません。まず在籍校の担任・スクールカウンセラーに「今の状況」を伝え、オンライン学習の可能性や支援センターへの案内を受けることが現実的な第一歩です。

保護者が不安になるほど、子どもはその雰囲気を敏感に感じ取ります。「どうするの?」「このままじゃ困る」という言葉よりも、「あなたのペースで、一緒に考えたい」という姿勢が、子どもの安心感につながります。

一人で抱え込まないために、以下のような相談窓口を活用してください。

  • 教育支援センター(適応指導教室):各市区町村の教育委員会が設置する公的施設。学習支援に加え、条件を満たせば在籍校の出席として扱われる場合があります。詳細はお住まいの自治体の教育委員会にお問い合わせください。
  • スクールカウンセラー:在籍校に配置される心理の専門相談員(週1回〜月数回程度、学校により異なる)。児童生徒本人だけでなく保護者からの相談も可能です。
  • 子どもの人権110番(法務省・0120-007-110):いじめや虐待など、子どもの人権に関わる問題を専門に扱う全国共通の無料ダイヤル(公式サイト)
  • よりそいホットライン(0120-279-338):生活・心・人間関係などあらゆる悩みに対応する24時間365日の無料相談窓口(公式サイト)

7. 「学び直しの場所」としての学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)——一つの選択肢として

在籍校でのオンライン学習を続けながら状態が安定してきたとき、「次のステップとして環境を変えてみたい」という気持ちが生まれることがあります。そのような場合の選択肢のひとつとして、学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)への転入・入学があります。

東京都内には複数の、学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)があります。2024年4月には、東京都足立区に私立の学びの多様化学校として東京みらい中学校が開校しました。足立区内で令和6年度に不登校状態にあった中学生は978 人とされており(足立区教育委員会・令和6年度データ)、同校は足立区と「不登校児童・生徒支援のための連携・協力に関する協定」を締結するなど、学校単体ではなく地域全体で子どもを支える仕組みの一部として機能しています。

同校が特徴として打ち出しているのは、「不登校をなくす学校」ではなく「自分らしく学び直す場所」 というメッセージです。体調や状況に応じてオンラインでも授業に参加できる「ハイフレックス授業」を導入しており、「登校できない日があっても学びが止まらない」環境を目指しています。

ICTで学びやすさ通いやすさを実現

同校への出願には、志願者本人がオープンキャンパスの全てのプログラムに1度以上参加していることが条件です。現在、完全に自宅から出ることが難しい状態の場合は、まずは在籍校や支援センターへの相談を優先し、状態が落ち着いてから検討されることをおすすめします。

8. まとめ——「学べない」ではなく「学び方を変える」という視点で

オンライン授業の出席扱い制度は、「学校に行けない子どもを家でも学びにつなぎとめる」ための重要な仕組みです。制度を正しく理解し、在籍校・自治体・支援機関と連携しながら、お子さんに合った学び方を一つずつ試していくことが大切です。

焦る必要はありません。今この瞬間、「調べよう」「動いてみよう」と思っている保護者の姿勢そのものが、子どもへの大きなサポートになっています。

まず取れる一歩のまとめ

  1. 在籍校の担任・スクールカウンセラーに現状を伝える
  2. 自治体の教育支援センターに相談する
  3. オンライン学習ツールと記録方法を学校と相談して決める
  4. 子どもの状態が安定してきたら、転校・転入の選択肢も視野に入れる
  5. 学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)に興味を持ったら、オープンキャンパスへ参加してみる

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