学校ブログ
フリースクールへの通学で中学校を卒業できる?在籍校との関係や学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)との違い
「フリースクールに通わせるべき?でも卒業資格はもらえるの?」——お子さんが学校に足が向かなくなったとき、選択肢が多すぎて何から調べればいいかわからず、途方に暮れている保護者の方は多いのではないでしょうか。この記事では、フリースクールと学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の具体的な違いを整理しながら、中学生の次のステップを一緒に考えていきます。
中学生の不登校、いま何人いるの?まず現状を知っておこう
不登校の中学生は、年々増加しています。中学校在籍数に対して全体の約6.79%が不登校状態にあるとされています。これは決して「一部の特別な子」の話ではありません。文部科学省の調査――児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によると、不登校の中学生は全国で216,266人(令和6年度時点)に上っており、クラスに1〜2人の割合で不登校の生徒がいる計算になります。
「うちの子だけがこんな状況なのでは」と孤立感を感じている保護者の方も多いかもしれませんが、不登校は決して特別なことではなく、多くの家庭が同じ悩みを抱えています。そして、不登校の子どもたちが学べる場所の選択肢も、以前に比べて着実に増えてきました。
まずは、代表的な選択肢の全体像を整理してみましょう。
フリースクールとは何か?まず基本を整理する
フリースクールという言葉はよく耳にするものの、「具体的に何をするところなのか」をきちんと説明できる方は意外と少ないかもしれません。
フリースクールの定義と目的
フリースクールとは、一般的に「学校に行きにくい子どもたちが自分のペースで過ごせる民間の居場所」を指します。NPO法人や民間団体が運営しているケースが多く、国や自治体による統一の制度的定義はありません。子どもが安心して過ごせる「居場所づくり」を主な目的としており、スタッフとの対話・創作活動・ゲームなど、子どもの自主性を重視した過ごし方が中心です。
フリースクールの「在籍校出席扱い」制度について
フリースクールに通っていると、条件によっては在籍している公立・私立中学校で「出席」として認められる場合があります(文部科学省の通知に基づく制度)。ただし、これは在籍校の校長判断によるものであり、自動的に認められるわけではありません。
フリースクールの課題:卒業資格と学習保障
フリースクールは民間施設であるため、フリースクール自体が卒業証書を発行することはできません。中学校の卒業資格は、あくまで在籍している中学校(通常の公立・私立中学校)から得ることになります。また、学習カリキュラムの内容や質は施設によってさまざまであり、学力の保障という点では施設ごとに大きな差があるのが現状です。
「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)」とは何か?フリースクールとどう違う?
フリースクールとよく混同されがちな選択肢として、学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)があります。この2つは、根本的な性質が異なります。
正規の「学校」として卒業資格が得られる
学びの多様化学校は、文部科学省が認可した正規の学校です。学校教育法に基づいて設置されており、ここを卒業すれば中学校卒業資格が得られます。フリースクールのように「在籍校での出席扱い」を個別に申請する必要もなく、この学校への転校・入学がそのまま学籍となります。
授業時間・カリキュラムを柔軟に設定できる
通常の中学校は、学習指導要領に定められた標準授業時数(約1,015時間)に従いますが、学びの多様化学校はこれを大幅に再編成することが認められています。再編成された時間は、一人ひとりの状況に合わせた個別学習・体験活動・心のケアなどに充てることができます。

「高校に進学できるか」が最大の不安——進路の選択肢を整理する
多くの保護者の方が最も心配されるのが、「この先、高校に進学できるのか」という点ではないでしょうか。結論からいえば、不登校の経験があっても高校進学の選択肢は十分にあります。
全日制・通信制・定時制、どれを目指すか
高校には大きく分けて以下の3種類があります。
– 全日制高校:毎日登校するスタイル。学力・内申点が重視されることが多い。
– 通信制高校:基本的に自宅学習中心。登校日数が少なく、自分のペースで学べる。
– 定時制高校:夜間など時間帯をずらして通う。働きながら通う生徒も多い。
不登校の経験がある生徒の場合、内申点の評価方法に配慮している高校や、面接・作文を重視する入試形式の学校を選ぶことで、全日制高校への進学も十分に視野に入ります。

内申点が心配な場合
中学校に登校できない期間が長いと、内申点への影響を心配する保護者の方も多いでしょう。学びの多様化学校では、在籍校として学習評価・通知表が発行されるため、高校入試に必要な内申書を受け取ることができます。一方、フリースクールのみに通っている場合は、在籍している元の中学校が内申書を作成することになります。
中学生本人・保護者が「学校選び」で確認しておきたい5つのポイント
フリースクールか学びの多様化学校か、あるいは在籍校への復帰かを考える前に、以下の視点で整理してみると選択がしやすくなります。
① 今のお子さんの状態はどの段階か
「まだ外に出ることが難しい」「週に数回なら外出できる」「少人数なら集団活動できる」など、現時点でのお子さんの状態によって、適した環境は変わります。たとえば、外出が難しい段階では、オンラインで対応できる選択肢を優先することが現実的な場合もあります。
② 「居場所」を求めているか、「学力・進路」も見据えているか
フリースクールは「安心して過ごせる居場所」の提供を重視しており、それが必要な段階のお子さんには大切な支援です。一方で、「高校進学に向けて学力もつけたい」「将来の方向性も考えたい」という段階になってきたお子さんには、学習保障と進路指導が充実した学校型の選択肢が合ってくることがあります。
③ 卒業資格・内申書をどこで取得するか
前述のとおり、フリースクールは卒業資格を発行できません。高校進学を見据えるなら、中学校の卒業資格をどこで取得するかを早めに意識しておくことが大切です。
④ 学費と利用できる支援制度
私立の学びの多様化学校には学費がかかりますが、公立高校と同様に就学支援金が適用される場合があります。また、都道府県や自治体独自の授業料補助・奨学金制度が利用できるケースもあります。各学校の最新の募集要項や公式サイト、お住まいの自治体の支援制度を必ず確認してください。
⑤ お子さんが「自分で動けるか」を見極める
どの学校・施設を選ぶにしても、最終的にはお子さん自身が「行ってみたい」「やってみたい」と感じられることが大切です。保護者が情報を集め、一緒に見学・体験に参加するプロセスそのものが、お子さんの回復や自信につながることもあります。
「居場所」だけでなく「次の一歩」まで支える学校という選択肢
フリースクールと学びの多様化学校を比較してきましたが、両者はどちらが「優れている」というものではありません。お子さんが今どの段階にいるか、何を必要としているかによって、最適な選択肢は変わります。
その上で、「そろそろ学力もつけたい」「高校進学を具体的に考えたい」「でも毎日登校できるか不安」という段階のお子さんをお持ちの保護者の方に、ひとつの選択肢としてご紹介したいのが、私立の学びの多様化学校である東京みらい中学校です。
同校は2024年4月に開校した私立の学びの多様化学校(不登校特例校)で、美容・医療・スポーツ・保育・ITなど多数の専門学校を運営する学校法人三幸学園が運営しています。通常約1,015時間の授業時間を775時間に再編成し、個別学習・心のケア・体験活動の時間を確保しているほか、体調や状況に応じてオンラインで授業に参加できるハイフレックス授業を導入しています。「登校できない日も学びが止まらない」という安心感は、再登校への一歩を踏み出しつつも不安を抱えているお子さんにとって大きな支えになり得るでしょう。
三幸学園グループの強みを活かしたキャリア教育も同校の特徴のひとつで、専門学校の授業体験や職業体験を中学生のうちから受けられる環境は、「将来何をしたいかわからない」というお子さんが自分の興味・関心を探す機会になります。こういった、実際的なキャリア教育の機会が頻繁にあるという環境は、他の学校にはなかなかない特徴です。
入学を検討する際の大切な確認事項
同校への出願には、志願者本人がオープンキャンパスの全てのプログラムに1度以上参加していることが条件です。現在、自宅から出ることが難しい状態の場合は、まずは在籍校や支援センターへの相談を優先し、状態が落ち着いてから検討されることをおすすめします。
まとめ:「選択肢を知る」ことが最初の一歩
フリースクールと学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の違いを改めて整理すると、以下のようになります。
フリースクール:民間施設。卒業資格は発行できないが、「安心できる居場所」として機能。在籍校に籍を置きながら通う形。
学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校):正規の学校。卒業資格が得られ、学習指導要領に基づく指導・進路指導も受けられる。学籍を移して通う形。
どちらが正解ということはなく、お子さんの今の状態と、何を優先したいかによって選択は変わります。大切なのは、「この選択肢しかない」と思い込まず、まず情報を集め、実際に見たり話したりすることです。
一人で抱え込まず、学校・教育支援センター・相談窓口など、周囲のサポートも活用しながら、お子さんとともに「次の一歩」を探していただければと思います。
